レンタルサーバ (ホスティングサービス) にカフェテリア・スタイルと聞くと、違和感を感じるかもしれません。世間では BTO (Build to Order) の方が通りが良いでしょう。
現在の 共有サーバ ビジネスセレクト 以前は、ディスク容量, 収容ドメイン名数 (マルチドメイン), データ転送量はコース毎に固定でした。
- "SOHO コース" は ディスク容量 1 GB, 1 ドメイン名, データ転送量 1 GB/日
- "ビジネススタンダードコース" はディスク容量 2 GB, 20 ドメイン名, データ転送量 5 GB/日
という具合に。
2004/01 から提供を開始して 3 年を過ぎた辺りで、あるお客様はディスク容量は大して必要ないが収容ドメイン名は 1 つ上のコースだとちょうど良い場合や、ディスク容量は多めに欲しいけど収容ドメイン名は 1, 2 つで十分等、ご要望にジャストに応えられていないケースが増えて来ました。
旧サービスのコースは、1 つのパッケージとして拡張を拒んでいました。ディスク容量のみは別途拡張が可能でしたがその他の対応出来る訳ではないので、お客様によっては不公平感を感じるケースも増えつつあるのではないかと危惧しました。
好きなものを好きなだけ
ディスク容量は 10 GB だけど収容ドメイン名数は 1 で良い場合や、ディスク容量は 5 GB でも収容ドメイン名数は 10 欲しいというケースを一挙に解決する解が現在のカフェテリア・スタイルです。
あまり選択肢が多いと、一般的な方には分かりにくいレンタルサーバがなお分かりにくくなります。そのため、ディスク容量, マルチドメイン, データ転送量に 4 つずつの選択肢 (ブロックと呼称しています) を設け、自由に選択していただく方式を考えました。
現在はクラウドという言葉と従量課金がセットで語られ、"使った分のみ支払い" がメジャーになりつつありますが、従量課金に偏り過ぎる課金体系もあまりユーザフレンドリーとは言い難いと考えています。
課金する事業者は最低単位の課金レート (1 分 or 1 秒毎に ?? 円) が細かい程バックオフィスの処理にも負荷が生じますし、利用者側も毎月の支払いの目処が立ちにくくなります。
特に法人向けを意識した Drive Network の場合、利用者側で社内承認が必要な場合もあるでしょうから、必要以上に工数を増やすことになります。
お客様のビジネスを支援するスタンスのサービスで、お客様側の工数を増やすことはポリシーとは遠ざかるため、バランスを考えると現在のメニュー構成が妥当を考えています。
後払いが基本
レンタルサーバサービスはとかく前払いが多いですね。私はこれも単なる事業者都合が最優先されていると考えています。臨機応変に対応する必要がないから可能であるともいえます。
専有サーバに見受けられる、いかにも初期費用で機器購入を済ませています的な値段設定も論外と考えています。
なお、旧サービスは後払いでスタートしたにも関わらず、とある理由から前払いにスイッチしたことがありますが、現在のサービスでは "お客様のご利用分に忠実" がポリシーですので、後払い請求としました。
後払いには別のメリットもあります。他社サービスから Drive Network へ移転する際、お申し込み後支払いが完了するまで現場担当者が作業出来ないタイムロスを防ぐことが出来るのです。
経理担当者が現場の時間感を理解していない場合もありますし、むしろそれが普通でもおかしくはありません。
事業者側の振込確認もリアルタイムで行われる訳ではありませんから、前払いは総じて事業者の都合でお客様の時間を奪っていることに気が付くべきだと考えています。
提供サービスの体系や目的にも依るので、前述の考え方が他のサービスに即転用出来るとは考えていませんが、支払い方法 1 つにも素朴な疑問を挟み、目線を大切にしつつ体系を構築するこだわりが、未来への飛躍につながると私は信じています。